スチールバイク復権の予感 歴史や海外ブランドのスチールバイク事情

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先日、千葉県の幕張メッセで「サイクルモード2015」が開催され、大変賑わっていました。

筆者も会場に行き、色々面白いものを見てきましたが、その中で気になった【スチールバイクの復権】について、今日はお話ししてみようと思います。

ちなみに、注目度の高い商品などは各種サイトで紹介されているので、筆者は少しマニアックなネタを取り上げてみました。

 

スチールバイクの歴史

スチールバイクとは、その名の通り鉄で出来た自転車のこと。主には「クロモリ」と言って、鉄にクロムとモリブデンを混ぜたクロムモリブデン鋼で作られた自転車ですね。

昔は自転車は殆ど鉄で作られていて、それに対してアルミやカーボンの自転車を「新素材」言っていた時代がありました。今はカーボンで作るのが当たり前で、スチールバイクが少数派になりましたが。

しかし、独特の踏み心地や振動吸収性をこよなく愛するスチールバイクの根強いファンもおり、それに加えて非常に軽量なスチールパイプも開発されたことで、じわじわと人気が再燃しており、スチールバイク限定のレースなども開催されております。

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カーボン全盛の時代に有っても、イタリアンブランドを中心にスチールバイクは販売されていて、その火が消えることはない。

 

海外ブランドのスチールバイク事情

アメリカ系を中心とする大手ブランドはカーボンの開発に注力し、あまりスチールバイクを作っていませんが、イタリア系のブランドの多くは今もレース用機材としてスチールバイクを作り続けています。

特にデローザのネオプリマートなどはフレーム価格で275,000円するリアルレーシングモデル。やはりこの辺はイタリアの情熱と伝統がスチールバイクへのこだわりとなっているのでしょうか。

また、アメリカ系でも、大手ブランドではなく、小規模なハンドメイドの工房で素晴らしいスチールバイクを制作しているブランドもあります。

スピードワーゲンやインディペンデントファブリケーションなどが有名ですね。筆者もスピードワーゲンの自転車に乗ったことがありますが、カーボンバイクと変わらぬ軽量なマシンでビックリしました。

このアメリカのハンドメイドスチールバイクはファッション性も相まって、日本国内でも人気が高く、製作数が少ないことから、争奪戦になることもあります。

 

日本国内のスチールバイク事情

一方、国内に目を向けると、日本には独自のスチールバイク事情があります。

と言うのも、「競輪」の存在が有るからです。日本の競輪はスチールバイクを使用するため、競輪で使用するマシンを制作する、腕の良いフレームビルダーが日本にもまだまだ沢山いるのです。これは嬉しいことですね。

これらのバイクは殆どフルオーダーのものが多いので、「長距離向きで疲れにくい自転車」「スプリントし易い自転車」「登りのシッティングがし易い自転車」など、好みに合わせた味付けも出来ます。この辺はつるしのカーボンフレームでは出来ないハンドメイドスチールバイクの大きなメリットですね。

競輪のマシンを制作する職人の高い技術を持って作ったロードレーサーはまさに芸術品です。美しい溶接、きれいな仕上がりもハンドメイドスチールバイクの魅力のひとつです。

先日のサイクルモードでも、彼らの渾身のマシンが展示してありましたが、どれも芸術品の域に達していました。

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ケルビムやキヨ・ミヤザワなど、競輪用マシンを手掛ける職人が作ったマシンはまさに芸術品

カーボン全盛の時代に、味のあるスチールバイクの魅力に触れてみると言うのも、また楽しいのではないでしょうか。

 

国内シクロクロス界におけるスチールバイクの戦歴

国内外を問わず、近年はどんな自転車競技でもカーボンバイクを使用する競技者がチャンピオンを勝ち取ることは、もはや当たり前となっております。

しかし、国内男子エリートクラスのチャンピオンに目を向けていると現チャンピオン(2015年全日本選手権開開催前時点)の竹之内選手をはじめ、その前のチャンピオンである辻浦選手も、スチールバイクを駆る選手が国内のチャンピオンに輝いています。これはシクロクロス競技においてはスチールバイクはカーボンバイクと変わらない戦闘能力を発揮することを表しています。

特に印象的だったのが昨年SUGOで開催された全日本選手権、まとわりつく泥にどの選手も苦戦する中、竹之内選手が素晴らしい泥への対応力を見せてチャンピオンを勝ち取ったのですが、細身で泥が詰まり難いスチールバイクの特性が勝因の1つで有ったことは明らかです。その他にも独特の振動吸収性など、シクロクロスにおいては、カーボンバイクには無いスチールバイクの特性が武器になるのです。

 

シクロクロス界で活躍するスチールバイクたち

シクロクロス界で活躍するスチールバイクと言えば、何と言っても現チャンピオンの竹之内選手を支える東洋フレームが挙げられるでしょう。

ヨーロッパの厳しいレースを走る竹之内選手のノウハウが詰まった、勝つためのスチールバイクです。近年のモデルはスチールとカーボンのハイブリットタイプとなっておりますが、スチールとカーボンの良いとこ取りの最強マシンが竹之内選手を支えています。

また、国内のレースで上位に入るスチールバイクと言えば、もう1つ忘れてはならないのが、昨年の全日本選手権で4位になった濱選手が使用するスピードワーゲンです。

このスピードワーゲンのバイク、筆者も持ったことがありますが、とても軽量に出来ており、持った感覚はカーボンと全く変わりません。スチールバイクの最大の弱点である重量を克服したスピードワーゲンはスチールバイクのおいしいところだけを味わえる魅力的なマシンです。

230_4 スピードワーゲンのマシン。ビックリするほど軽量に仕上がっている

 

スチールバイクに乗るシクロクロスライダー増殖中

先ほどから国内のトップカテゴリーの選手に関するお話ばかりしてきましたが、一般的なカテゴリーである、カテゴリー3やカテゴリー4など、他のクラスにおいても、近年はスチールバイクを駆るライダーが目立ちます。先ほどお話しした性能面の魅力の他に、カーボンに比べ価格が安価なことや、丈夫で壊れにくいことなど、スチールバイクの魅力がシクロクロスライダーに受け入れられているのでしょう。

皆さんもシクロクロスバイクを新調する際には、スチールバイクを選択肢の1つに入れてみるのも面白いかも知れません。

230_5 近年のシクロクロスレースではどのクラスでもスチールバイクに乗るライダーが目立つ。

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