最近流行っている自転車・ロードバイクのパワートレーニング(メーター)とは?

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スポーツバイクに乗られる方であれば、「パワートレーニング」もしくは「パワーメーター」と言う言葉を聞いたことは無いだろうか。

パワーメーターとは、自転車を漕ぐ時にライダーが発生させている出力、つまり漕ぐ力を数値化するメーターである。そしてこのパワーメーターを用いて、出力を管理しながら効率的に行うトレーニングをパワートレーニングと言うのです。

今回はこのパワートレーニングやパワートレーニングについてのお話をしたいと思います。すでに競技者の間では、パワーメーターを装着して走ることが定番化しており、すでにパワートレーニングを行っている方であれば、よくご理解されている内容のお話になりますが、これからパワーメーターを購入してみたいと言う方には、ぜひ購入前に参考にして頂きたい内容をお届けします。

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人気のパイオニア社製ペダリングモニターはこのように出力だけではなく、ペダリング効率についても表示してくれる。

ワットって何?

「ワット」と聞くと電化製品の電力消費量を思い出しますが、自転車の出力を表す時もワットで表示します。ワットと言う単位は「1ワット=1秒あたり1ジュールの仕事量」を表しているらしいのですが、残念ながら筆者は理系ではないので、そう言う理屈はよく分かりません。

しかし、自転車での出力の話になった時に「300w」と言われれば、だいたいどれくらいの強度か想像が出来ます。これはパワーメーターを常用しているかしていないかの差ですね。

出力の話になった時に、〇〇ワットと言えば、パワーメーターを使っているサイクリストには非常に分かり易い説明なので、パワーメーターを使っている者同士の会話であれば常に出て来るフレーズです。

また、マシンやパーツのインプレッションの際に「〇〇ワット分の抵抗軽減を実現」と言う表現を最近よく目にします。これもパワーメーターの普及に伴い、「分かる人には非常に分かり易い説明」となっています。

出力を表すワットとは、パワーメーターを持っているサイクリストなら体で覚えている出力の単位なのです。

超高価なパワーメーターは絶対に必要なのか

パワーメーターの欠点。それは何と言っても、なかなか手が届かないその価格ではないでしょうか。パワーメーターの創世記に比べればずいぶん価格は下落しており、登場当初は先駆者である「SRM」の価格は100万円を超えていたそうです。それが少しずつ価格が低下し、現在では10万円以下で購入できるパワーメーターも登場してきました。

とは言え、10万円の買い物。他の高価なパーツであれば、軽量化になったり、空気等抵抗を軽減したいと、取り付ければすぐに効果を発揮しましたが、トレーニング効率化をしたり、効率的にペースメイクをしたりするための道具。使いこなすには、それなりの知識が必要で、ただ買っただけでは無駄な買い物になってしまう恐れがあります。

だからこそ、パワーメーター購入を検討されている方は、どんな目的を持って買うのかをしっかり確認して欲しいと思います。筆者の考えとしては、ゆっくりのんびり走るだけであれば、パワーメーターは要らないと思います。しかし、「効率的に走りたい」「今より速く走りたい」「レースに出たい」と言う方には力を貸してくれるアイテムだと思います。

次回もパワートレーニングについての続きをお話ししますので、「パワートレーニングに興味が有る」と言う方はぜひ読んでみて下さい。

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パワーメーターを使えば、このようにその人トレーニング内容をグラフで振り返ることも簡単に出来る。ただ、全てのサイクリストがここまでする必要は無いと思う。

パワーメーターを選ぼう

パワートレーニングを始めるなら、とにもかくにもパワーメーターが必要。

と言うことで、ここではパワーメーターの種類についてごくごく簡単にお話ししたいと思います。(※購入に向けての本格的な情報収集は各メーカーをご覧ください。ここではその前段階の予備知識について書いております)

まず、大きくペダル型、クランク型、ハブ型の3つに分けられるので、その特徴についてお話し致します。

【ペダル型】

ライダーがペダリングした際の出力をペダル本体で計測するタイプ。ガーミン・ベクターが代表的な商品。左右それぞれの数値を正確に計測できる上、ペダルを交換することによって、簡単に他の自転車でもパワートレーニングが出来るので、複数台所有している方にはメリットが大きい。逆に、ペダルの種類がルックタイプに制限されると言うデメリットもある。

【クランク型】

ライダーがペダリングした際の出力をペダルでは無く、クランクで計測するタイプ。現在はこのクランク型が主力と言って良いだろう。古くからこの分野をリードしてきたSRMは根強い人気を誇っているが、最近はコストパフォーマンスに優れたステージス・パワーやペダリング効率まで計測できるパイオニア社のペダリングモニターに注目が集まっている。

【ハブ型】

駆動伝達時に後輪ハブにかかっている出力を計測するタイプ。コストパフォーマンスに優れ、一気にパワーメーターを普及させてパワータップが代表的な商品。しかし、近年はクランク型の価格が下がり、ハブ型の需要は急減速している。

それでも、複数台所有しているライダーには、後輪を交換することでどの自転車でもパワートレーニング出来ると言う点や制度が高いことが強み。逆にレース用ホイールを履いた時などは計測出来ないことが最大の弱点。

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以前に比べてコストパフォーマンスの魅力が薄れたパワータップ。しかし8万円台で購入できる上、制度が高いことなど魅力も多い。

パワーメーターを買ったら絶対に読んで欲しい本

パワーメーターを購入したら、ぜひ読んで欲しい本があります。

ハンター・アレン著 「パワートレーニングバイブル」です。Amazon等で和訳版も販売されているのでぜひ読んでみて下さい。

なぜ、本の種類まで指名しておすすめするかと言うと、日本にはこの本しかないからです。

文系の筆者にはとても難しい本でしたが、それでも書かれていることの全てが理解出来なくても、この本を読んでいるのといないのとでは、パワートレーニングの内容が全然違うものになると思います。後半はもの凄く難しい内容で、ついていけませんでしたが、前半はパワートレーニングの予備知識から始まるので、理解できるところまでで結構ですので、ぜひ読んでみて下さい。

結局、パワーメーターを使う目的と言うのは、効率的に追い込んでトレーニングの質を上げたり、走行中にパワーメーターを活用してペース配分を効率よくすると言う目的が有るのですが、パワーメーターから得られたデータをどう活用して、どう走り方にフィードバックするかについては、知識が無い状態で数値だけ見てみても何も始まりません。

この本で最低限の知識を得ることで、データをどう理解して、どう活用していくかが少しでも身に着けば、パワーメーターを少しずつ有効活用していけるはずです。

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「パワートレーニングバイブル」とても難しい本ですが、これを読まないとパワーメーターが宝の持ち腐れで終わってしまいます。

クリティカルパワーと言う考え方

パワートレーニングをする上で、必ず登場するのがクリティカルパワーと言う考え方です。これは10秒なら10秒、5分なら5分の限界値。5分間継続できる出力は〇〇ワットと言う考え方です。ちなみに1時間のクリティカルパワーのことを「FTP値」と言います。このFTPと言う言葉もパワートレーニングにおいて使われることが多いですね。

このクリティカルパワー、解析ソフトを使って算出することが出来ます。殆どの解析ソフトが自動で算出してくれるので、自分のクリティカルパワーを確認しておきましょう。

そもそも、トレーニングと言うものは「クリティカルパワーを向上させていく作業」と言っても過言では有りません。数秒、数分、数時間。それぞれのクリティカルパワーを向上させることで確実に勝利に近付いていけるのです。

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筆者の5秒、1分、5分、1時間のクリティカルパワー。この数値がトレーニングメニューを考える上でベースになる。

こんな時に有ると嬉しいパワーメーター

前回、パワートレーニングのノウハウが詰まった「パワートレーニングバイブル」をご紹介しました。こちらには、各種目や年齢やレベルに合わせたトレーニングメニューが分かり易く書かれており、個々のトレーニング方法についてはぜひそちらを参照して頂きたいと思いますが、私からは「こんな時はパワーメーターがあると特に便利だよ」と言うシチュエーションについてお話をさせて頂きます。

【独り練】

独りだとどうしても練習に身が入らず、集中したトレーニングが出来ないと言う時は、ぜひパワーメーターと睨めっこしながらトレーニングしてみて下さい。追い込んだトレーニングは苦しいので目標が無いとどうしてもダラダラしてしまいがちですが、クリティカルパワーと基に「〇〇ワット・3分×5本」と言うような具合にメニューを組みを、そのメニューを遂行するのです。パワーメーターで目標数値を目指すことで辛いトレーニングが幾分かやりやすくなるでしょう。

【タイムトライルやヒルクライム】

トレーニングでもレースでも、タイムトライアルやヒルクライムは一定ペースを刻むことが重要。こう言う時にはパワーメーターでペースがバラつかないようにすることが重要。タイムトライアルでも起伏があれば、多少は出力が変動するし、ヒルクライムでも駆け引きが発生すればそれに合わせて数値も変わる。それでもベースになるワット数があるのと無いのとでは雲泥の差がある。

【通勤時の定点観測】

毎日毎日、同じコースを使う自転車通勤はデータを定点観測する上で非常に有効な方法の1つです。もちろん、信号もあれば風向きなど、毎日全く同じ条件とはいきません。それでも、1年間に膨大なデータが収集できるので、平均出力を見ながら、「最近は出力が上がっているな」とか「1年前と比べて安定したペースで走れるようになったな」とか色々発見があるはずです。ぜひ、毎日走る通勤だからこそ、パワーメーターを有効活用してみて下さい。

パワートレーニング専門のコーチに指導を依頼する

ここまで話を聞いて、「やっぱりパワートレーニングは難しいな」と思った方には、最後の手段として、パワートレーニングのコーチに指導を仰ぐことをおすすめします。

アメリカではこう言ったパワーメーターを使ったコーチングと言うのは数年前から普及しているようなのですが、日本でも遅ればせながら「ピークスコーチンググループジャパン」と言うサービスが最近始まりました。本場で勉強された日本人スタッフが運営しているので、最先端のトレーニング理論を日本語で指導してくれるのが有り難いところ。

少々費用は発生しますが、専門家と二人三脚で強くなりたい方にはおすすめです。

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ピークスコーチンググループジャパンは最先端のトレーニング理論に基づき、日本語で指導してくれる。

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